ブラックジャックのインシュランスの有効性を徹底検証
ブラックジャックで使えるインシュランスの有効性について検証します。
ブラックジャックには、基本アクションのヒットやスタンドの他にも条件次第で選択できるインシュランスやスプリット、サレンダーなどのルールがあります。
インシュランスの有効性については賛否両論あって、「損をするから使うべきでない」といった意見と「状況次第では使うべき」といった意見がありますが、ブラックジャックの基本戦略ベーシックストラテジーにもインシュランスは出てこないことから、一般的には損をするアクションとして知られています。
インシュランスとは
「インシュランス」は「保険」という意味で、ブラックジャックでディーラーのアップカードが「A(エース)」のときに使えるアクションの一つです。
ディーラーの伏せている裏向きのカードが「10」の場合に、ディーラーはBJ(ブラックジャック)が成立してしまい、即ディーラーの勝ちとなってしまいますので、プレイヤーはベット額の50%を払うことでディーラーのBJに対して保険を掛けることができます。そして、ディーラーの伏せているダウンカードが「10」でBJ(ブラックジャック) が成立したら、インシュランスは的中となるので インシュランスとして払ったの金額の3倍が払い戻されます。もし、ディーラーの伏せているカードが「10」以外でBJ(ブラックジャック) が成立しなかった場合にはインシュランスとして支払った金額は没収されます。 インシュランスが的中しなかった場合には、インシュランスとして支払った金額だけが没収されて、最初の賭金はそのままで、通常とおりゲームが続行されます。
では、ディーラーのアップカードが「A(エース)」の場合、伏せているカードが「10」の可能性はどのくらいあるのか。
結論からいうと、ディーラーの伏せている裏向きのカードが「10」である可能性は「約30.8%」もあり、3.3回に1回程度はBJ(ブラックジャック) になってしまいます。参考までに各カードが出る確率は以下のとおりです。
各カードの数字 | ディーラーの伏せているカードの各確率 |
---|---|
A(エース) | 約7.08% |
2 | 約7.08% |
3 | 約7.08% |
4 | 約7.08% |
5 | 約7.08% |
6 | 約7.08% |
7 | 約7.08% |
8 | 約7.08% |
9 | 約7.08% |
10 | 約30.8% |
ここまで見ると、インシュランスは有効的な選択肢のように思えますが、一概にそうとは言えません。
では次に、インシュランスの5パターン全てを一つずつ検証していきます。
インシュランスの有効性を検証
インシュランスのケースでは、以下5つのパターンが想定できます。
✅プレイヤーはナチュラルBJでなく、ディーラーのアップカードが「A(エース)」の時に3パターン
✅プレイヤーはナチュラルBJで、ディーラーのアップカードも「A(エース)」の時に2パターン
上記のパターンのイメージがつきにくいかたは、実際の状況を以下動画でご確認下さい。プレイヤーがナチュラルBJではなく、ディーラーのアップカードが「A」の3パターンをご覧いただけます。
これらの5つのケースを順番に検証していきます。
プレイヤーは「ナチュラルBJ」でない時のケース
プレイヤーがナチュラルBJでない時にインシュランスをした場合の最悪のケースは、インシュランスが的中せずにゲームにも負けることです。一方で最高のケースは、インシュランスが外れてゲームには勝つことです。では、先ほどの動画を例にそれぞれの3パターンをみていきましょう。
Case1:インシュランス的中してプレイヤーが負けるケース
インシュランスが的中するということは、ディーラーがBJとなりプレイヤーの負けが確定するケースです。先ほどの動画を例にして解説します。
では、最初の動画にあった以下の状況を考えます。
最初100円をベットしてプレイヤー(私)のカードは「2」と「6」、ディーラーのアップカードは「A(エース)」です。従って、賭金50%の50円をインシュランスとして追加でベットしました。
現在の合計ベット額は150円です。
ディーラーの伏せている裏向きのカードは「10」なので、BJが成立しました。プレイヤーはインシュランスが的中したのでインシュランスのベット額50円の3倍に当たる150円が払い戻されました。
ここでのポイントは、インシュランスは的中して150円払い戻されたが、ゲームには負けたので始めにベットした100円はそのまま没収されます。
従って、このゲームの最終的な収支は「±0」となります。もし、今回インシュランスに賭けていなかった場合、最終収支は「-100円」になっていました。
Case2:インシュランスが外れて、プレイヤーが負けるケース
インシュランスが外れたので、インシュランスとして賭けた金額は没収されて、ゲームは通常とおり続行されます。そしてプレイヤーはゲームにも負けた最悪のケースです。こちらも先ほどの動画を例にして解説します。
では、2ゲーム目の動画にあった以下の状況を考えます。
先ほどと同様に始め100円をベットしてプレイヤー(私)のカードは「4」と「8」、ディーラーのアップカードは「A(エース)」です。従って、賭金50%の50円をインシュランスとして追加でベットしました。
現在の合計ベット額は150円です。
ディーラーの伏せている裏向きのカードは「6」なので、BJは成立しませんでした。さらに本ゲームはディーラーの勝ちです。プレイヤーはインシュランスが外れたのでインシュランスのベット額50円と始めにベットした100円の計150円が没収されました。
ここでのポイントは、賭けた全ての金額を失うということです。
従って、このゲームの最終的な収支は「-150円」となります。もし今回インシュランスに賭けていなかった場合、最終収支は「-100円」になっていました。
Case3:インシュランスが外れて、プレイヤーが勝つケース
インシュランスは外れて、インシュランスとして賭けた金額は没収されますが、本ゲームには勝ったので、ゲームの払い戻しは受けることができます。まずは動画で状況を正確に把握しましょう。こちらも先ほどの動画を例にして解説します。
では、3ゲーム目の動画にあった以下の状況を考えます。
先ほどと同様に100円をベットしてプレイヤー(私)のカードは「4」と「8」、ディーラーのアップカードは「A(エース)」です。従って、賭金50%の50円をインシュランスとして追加でベットしました。そしてプレイヤーは、ヒットして3枚目のカードで「8」を引いたので、合計「20」となり、そのままスタンドしました。
現在の合計ベット額は150円です。
ディーラーの伏せている裏向きのカードは「8」なので、BJは成立しませんでしたが、本ゲームでは、プレイヤーがの勝ちました。プレイヤーはインシュランスが外れたのでインシュランスのベット額50円とは没収されますが、ゲームには勝ったので、初めにベットした100円の2倍で200円が払い戻されました。
ここでのポイントは、インシュランスの支払い額50円は没収されますが、ゲームには勝ったので、通常とおり始めのベット額100円は2倍の配当で払い戻れます。
従って、このゲームの最終的な収支は「+50円」となります。もし、今回インシュランスに賭けていなかった場合、最終収支は「+100円」になっていました。
プレイヤーが「ナチュラルBJ」のケース
このケースは珍しいのですが、プレイヤーがナチュラルBJの時、ディーラーのアップカードも「A(エース)」で、両方ともBJになる可能性のある時です。ちなみに両者ナチュラルBJでなった場合、引き分けとなります。
では、このケースで想定される2つのパターンを見ていきましょう。
Case4:インシュランスが外れて、プレイヤーが勝つケース
ディーラーのアップカード「A(エース)」に対して、インシュランスを賭けたがディーラーの伏せている裏向きのカードが「10」以外のカードだった場合に、プレイヤーはナチュラルBJなので勝ちが決定する。では、以下のケースを考えていきます。
仮に、プレイヤーが本ゲームで100円をベットしたとすると、インシュランスの賭金は50円になるので、合計150円ベットしたことになります。
ここで、始めの賭金100円とインシュランスの賭金50円を別々に考えます。
インシュランスの賭金50円は没収。
ゲームの賭金はナチュラルBJの場合は2.5倍で払い戻されるので250円。
従って、このゲームの最終的な収支は「+100円」となります。もし、今回インシュランスに賭けていなかった場合、最終収支は「+250円」になっていました。
Case5:インシュランス的中で両者引き分けのケース
ディーラーのアップカード「A(エース)」に対して、インシュランスを賭けたところディーラーの伏せている裏向きのカードも「10」だった場合に、ディーラーもプレイヤーはナチュラルBJで両者引き分けとなります。では、以下のケースを考えていきます。
仮に、プレイヤーが本ゲームで100円をベットしたとすると、インシュランスの賭金は50円になるので、合計150円ベットしたことになります。
同様に始めの賭金100円とインシュランスの賭金50円を別々に考えます。
インシュランスの賭金50円が的中したので、3倍の150円が払い戻される。
ゲームの賭金100円は両社引き分けなので、返金される。
従って、このゲームの最終的な収支は「+100円」となります。もし、今回インシュランスに賭けていなかった場合、最終収支は「±0円」になっていました。
インシュランスの考察
インシュランスの5つのケースを検証した結果をまとめると以下のようになる。
収支 | ||||
---|---|---|---|---|
プレイヤーがナチュラルBJでないケース | インシュランス有 | インシュランス無 | ||
1. インシュランス的中でプレイヤーがゲームに負けるパターン | ±0円 | -100円 | ||
2. インシュランス外れでプレイヤーがゲームに負けるパターン | -150円 | -100円 | ||
3. インシュランス外れでプレイヤーがゲームに勝つパターン | +50円 | +100円 | ||
プレイヤーがナチュラルBJになったケース | - | - | ||
4. インシュランス外れでプレイヤーがゲームに勝つパターン | +100円 | +250円 | ||
5. インシュランス的中で両者引き分けのパターン | +100円 | ±0円 |
ゲームの賭金額が100円の場合に表から分かることは、
インシュランスが的中したケースと外れたケースの収支差は「50円~150円」
プレイヤーがナチュラルBJでない時にインシュランスをしなければ、2/3パターンがマイナス収支なり、インシュランスをすれば、マイナス収支は1/3
プレイヤーがナチュラルBJの時、インシュランスをすれば「+100円」の収支が確定
以上のことから大金を稼ぐ目的のプレイヤーからみるとインシュランスの効果は低いものの、インシュランスを賭けてマイナス収支になるパターンは「1~5」のケースのうち「2」の1ケースしか存在しないので、インシュランスを上手に活用することで有効的なリスクヘッジになると思われます。
では、ディーラーのアップカードが「A(エース)」の時、どのようにインシュランスの有無を判断すれば良いのでしょうか。次に、インシュランスを有効活用する方法を考えていきます。
インシュランスの有効活用
インシュランスの判断で注目するべきポイントは、「ディーラーの伏せているカードが10であるか否か」の1点となります。従って、ディーラーの伏せているカードが「10」である可能性を予測できれば、インシュランスを有効的に活用できます。
ディーラーのダウンカードを予測する方法
ディーラーの伏せているカードが「10」か否かを予測する方法は、残っているカードの総数と残っている「10」の枚数を把握することです。
先述したようにブラックジャックはジョーカーを除く52枚のカードを6デッキ、又は8デッキ使いますので、各カードの枚数は以下のようになります。
オンラインカジノに多い8デッキで考えた時、ブラックジャックで「10」とカウントするカードは、合計128枚入っており、他のカードは各32枚です。
従って、使われたカードの総数と「10」が使われた数の2点を数えておけば、ディーラーの伏せているカードが「10」の可能性を予測することができます。
仮に、現在までで使われたカードの枚数が218枚、使われた「10」の枚数が26枚だった場合にディーラーの伏せているカードが「10」である可能性は約51.5%となり、半分以上の確率で「10」ということが分かります。ランドカジノでこの計算をやるのは難しいかもしれませんが、オンラインカジノなら電卓を使って即座に計算ができると思います。
計算式:(128-26)/(416-218)×100≒51.5%
この状況では、半分以上の確率でディーラーはナチュラルBJになりますので、インシュランスを賭けておくことで損失を回避できる可能性が高くなります。
このようにディーラーの伏せているカードが「10」である可能性を予測できれば、インシュランスの精度を上げることができます。
インシュランスのまとめ
インシュランスの状況を細かく検証していきましたが、プレイヤーがナチュラルBJでない時のインシュランスは、マイナス収支のパターンをなるべく潰すなら有効な手段となりますが、最大損失額をなるべく低く抑えるなら使うべきではないと言えます。
また、プレイヤーがナチュラルBJでディーラーのアップカードが「A(エース)」時、確実に利益を確定させるならインシュランスを使うべきですが、収支額±0になる可能性を覚悟して大きく勝ちにいくならインシュランスは使うべきではないとうことが言えます。
但し、先ほど検証したインシュランスの5ケースの各収支差を累計すると、賭金のマイナス50%となるので、長期的にインシュランスを使うと期待値は下がってしまいます。そのためブラックジャックのゲームでインシュランスを有効活用するためには、少なくとも「10」の残数とカードの残数を把握することが大切になります。
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メリット
損失を出さない負けな勝負スタイルに適している
簡単なカウンティングでインシュランスの精度を上げれる
デメリット
長期的にみると期待値を下げる
インシュランスを使うとゲームに勝っても+収支が少ない
インシュランスは、ディーラーのアップカードが「A(エース)」の時に、賭けれる保険で、もしディーラーのダウンカードが「10」でナチュラルブラックジャックが完成した場合には、インシュランスの賭金の3倍が払い戻されます。もし、ディーラーがナチュラルブラックジャックでなかった場合には、インシュランスの賭金はそのまま没収されます。
インシュランスを長期的に思い付きで使っていると確実に期待値を下げますので、手元資金が減っていきます。プレイヤーとディーラーの全ての組み合わせから最適なアクションを定義したベーシックストラテジーでもインシュランスのアクションは存在しません。
インシュランスの精度を向上させることはできます。既に「使われたカードの総数」と「使われた10」の数をカウントしておけば、ディーラーのダウンカードが「10」である可能性を計算できます。手札が弱く、ディーラーのダウンカードが50%以上の確率ならインシュランスは有効的な手段になります。
監修: 和希愛
編集長